「オカリナと弦楽オーケストラのための組曲」とオカリナ音楽

自作曲のオカリナ音楽作品を中心に、公開していこうと思います。

オカリナと弦楽オーケストラのための組曲について

 はじめに

私は素人の作曲家で、音楽的な学歴も経歴も受賞歴もなく、本当にただの趣味で作曲している人間です。


クラシックを中心とした作曲を行なっていますが、フュージョンやロックなど幅広く音楽を手掛けています。
その音楽活動としては、単に趣味として作曲する他に、依頼に応じての自作曲の提供、自作他作曲問わず編曲など行ったりもしています。(有償提供を基本としていますが、使用条件や環境を鑑みて、検討させていただいております。)
 
私は1962年に東京五反田で生まれ、今に至っています。
音楽も引退といった年齢かも知れませんが、まだ個人的にですが、心に思い描いている作るべき音楽を作っておらず、その目標に向かって牛歩ながら一応前進はしています。生きているうちにそれを達成したい思いから、作曲を続けているのかも知れません。


作曲活動はfinaleという楽譜を作成するソフトで、PCによって作曲を行っています。
音楽は楽譜に書くだけでなく演奏音源として残しています。
その音響としては、finaleに付属するガーリタンというソフト音源を使って作成し、音を確認しながら作曲を行なっている次第です。

 

それでは、「オカリナと弦楽オーケストラのための組曲」について、過去から募る思いはありますが、出来るだけ簡単にお話ししたいと思います。

 

  1. オカリナとの出会いと

    私がオカリナと出会ったのは、かなり昔の18歳くらいの時だったと思います。
    その当時、芸能人などがオカリナを吹いていて、そんな曲を聴きながら、ただ面白そう、自分にも出来そうだからと、オカリナを街の楽器店で購入したのが初めです。やってみると、思った通りなるほど簡単に吹けて楽しく、それでオカリナ演奏を趣味にしようと思いました。


  2. オカリナの専門楽譜が存在しない

    私は学生時代には吹奏楽を経験していて、そこでよく銀座のヤマハへ楽譜を買いに行っていました。そこへ行けばだいたいの楽譜が揃うからです。

    オカリナを始めてからすぐに、オカリナのために作曲された、クラシックの音楽を演奏したいと思うようになりました。
    ヤマハや他の楽譜専門店でもそうですが、フルートやオーボエや、そういったクラシック音楽で通常使われる楽器のために、作曲家が作曲した楽譜が売っています。そういった独奏楽器のための楽譜としての、オカリナ演奏のための楽譜が欲しいと思いました。
    私の頭の中では、オカリナソナタとか、オカリナのためのエチュードなど、オカリナのために作曲されたクラシカルな音楽が当然あると思っていた訳です。
    ところがいざお店へ行ってみると、オカリナという楽器の楽譜は、クラシック音楽の楽器の専門コーナーにはありませんでした。あったのは全然別の、一般的などこの書店でも手に入りそうな音楽雑誌のコーナーに、簡単な楽譜があっただけです。これには愕然としました。


  3. オカリナは楽器として認められていない?

    後に私はこの現実の意味を知ることになりますが、紙面の都合上簡単に申し上げますが、こうした事態になっているのは、一重にオカリナは楽器として認められていないものだったということです。それはこれ以後様々な経験を経て、はっきりと知ることになりました。

    その主な理由は、
    ・楽器の材質が土で出来ていて、もろくて壊れやすいこと。
    ・構造的に各音のピッチを正しく作るのがむずかしい事。
    ソリストの扱い次第で簡単にピッチが変わってしまう事。
    そういった特性があり、これだと再現性の問題なども含め、他のクラシック音楽に登場する楽器とくらべ、非常に心細い存在でしかありません。
    それゆえに楽器としては認識されていても、他の楽器と肩を並べ、あるいは花形になることは無かったのだと思います。これは一部私の主観も入りますので、反論やご意見もあるかとは思いますが。
    確かに伊福部昭さんの管弦楽法には、楽器としてのオカリナが解説されていますが、それをオーケストラの一つの楽器として、意図してはいない内容に感じました。


  4.  自分で作曲することを選択した

    オカリナの楽譜を探しても無い以上は、自分で作曲する意外に方法はないと考えました。
    しかし、オカリナの知識に乏しく、色々なオカリナに対しての本を読んだりもしましたが、クラシックとしての楽器にあるような、詳しい解説がある本は皆無でした。
    当時、オカリナの仲間などまったく居ない状況であり、オカリナをみんなで吹こうといったサークルがある事は知っていましたが、そこへ入ってオカリナを学ぼうとも思いましたが、自分の趣旨とはちょっと違うなと思っていました。
    というのも、楽器店や書店などに存在しているオカリナについての楽譜などは、ほとんどが童謡や唱歌、クラシックの有名な曲のアレンジで、オリジナル楽曲としてのものは存在しませんでした。サークルに入っても、そんな音楽ばかりを演奏する気持ちにはならなかったのです。
    さらにその頃は、携帯電話、スマホ、PCなどが一般的な家庭に普及して居ない時代で、情報を得ることもままならず、やむを得ず手探りで、自分のこれまでの知識をもって、オカリナの音楽を作っていくことにしました。


  5. これまで作曲したオカリナと弦楽オーケストラのための組曲について

    「オカリナと弦楽オーケストラのための組曲」は5曲で一つの組曲を構成しています。
    最初の組曲は今から30年くらい前に作曲され、それ以後第7組曲まで合計35曲が存在しています。
    古典的な組曲の形式などは考慮していない、自由な作品が集まった音楽で、演奏技法も基本的には、自分で演奏出来る範囲に作られています。(一部むずかしいものもありますが)
    弦楽オーケストラの伴奏というか、協奏的な表現を重視した楽曲で、独奏楽器以外にも楽しめる音楽だと思っています。
    独奏オカリナ以外、第1、2、3、6組曲は、弦楽オーケストラのみの構成で、第4、5、7組曲はそれにハープが入ります。(第4組曲には、効果的な演出のためにチューブラーベルズをさらに加えています。)
    なお、第7組曲は完成はしていますが、諸事情により欠番としました。
    (これにつきましては、いつかお話し出来る時がきたら、お話ししたいと思います。)
    演奏時間も比較的短い楽曲が多く、聴きやすく楽しい楽曲だと思っています。


  6. 音楽で使用している楽器について

    使用するオカリナは、昨今ダブルやトリプルといった、複数の違う音程のオカリナを合成し、音域を広げた複合楽器が出回っています。
    私はオカリナ音楽の作曲をはじめた当初、その音域の少なさに、表現力の限界をかなり感じました。
    それはその時に編曲しようとしていた、たとえばフォーレシチリアーノなど、2オクターブにまたがるような旋律は、1オクターブ半しか音域の無いスタンダードなオカリナには、実現できない事になり、かなり悩みの種になりました。
    その点では限られた音域に当てはめての作曲においては、さらに苦労しました。
    歴代の楽器に比べてその音域の少なさにも、楽器として認められない問題の一部だったかも知れません。

    しかしそれから私は、様々な有名ソリストさんやオカリナ団体のオカリナ音楽を拝聴し、オカリナ音楽が今後どうあっていくべきなのか?という事を考えました。
    難しいテクニックを要する音楽も、音楽の発展には絶対に必要ですが、一般的な趣味で演奏されている方々のレベルは、まったくその域には達していませんし、今後そこまで専門的なジャンルになるとも考えられません。
    何よりも、複合管よりもやはり単管の楽器の方が、音がきれいに聞こえます。

    そこで私は、オカリナは単管であり、基本的な従来のスタイルと音域を持っている、安価で誰でも演奏できるものを、音楽で使おうと思いました。
    途中で他の音域のオカリナに持ち替えることもなく、あくまで1本で演奏できるスタイルを意図した作曲を行う決意をしました。

     音楽的には、きちんとしたオーケストラが実際に演奏出来る楽譜を書き、生オーケストラとの共演が実現できるように意図しました。
     そして何よりも、動揺や唱歌や有名音楽のアレンジ曲も、もちろん楽しい音楽ですが、オリジナルのオカリナ音楽でもって、クラシック音楽を目的とする作曲を行い、芸術的な底上げを行っていきたいと思いました。

    誰でも簡単に演奏できる楽器と音楽という条件であっても、それ故に、ただの娯楽だけの平易な音楽ではありません。
    きちんとした芸術的な音楽を作曲しさえすれば、他の歴代のクラシックの音楽と、肩を並べられるだけものを、オカリナ音楽は持っていると私は思っています。


  7. 2020年の改定

    「オカリナと弦楽オーケストラのための組曲」の、今年2020年から改定を実施している理由としては様々なものがありますが、若い頃の拙いオーケストレーションの見直しや、構造の拡大と拡充を行なっていこうというのが主な趣旨です。

    これまでは「オカリナと弦楽オーケストラのための組曲」から第1番〜第7番というように呼称してきましたが、今後は「オカリナと弦楽オーケストラのための第1組曲〜第7組曲」という言い方に変わりました。
    またそれぞれの組曲内の曲名の呼称は第1曲〜第5曲と呼んでいましたが、今後は第1楽章〜第5楽章となります。
    以前の組曲を入手して演奏されている方がいらっしゃっいましたら、それは従来の通りの呼称でかまいません。
    今後、最新の2020年版からのバーションをご利用される方は、新しい呼称にて対応をお願いいたします。

    今回その大きな改定に伴って、ここに仕上がった順番にネットで公開して、人生の終焉にむけての、オカリナ音楽の集大成を形にしていきたいと考えています。

 

以上簡単ですが、オカリナ音楽を作るに至ったきっかけと、組曲の概要になります。
私がオカリナをはじめてしならくして、縁あって仕事で取引のあったお客様のなかに、音楽をやっている方がいて、その人と仕事以外にも音楽で交流が始まりました。
お付き合いしていくうちに、その方はその昔、オカリナ界の重鎮でもあった、故火山久先生のお弟子さんで、今もオカリナを吹いているという事を偶然にも知りました。
その方と音楽を楽しんだその時代の一時は、ほとんどオカリナについて知識のなかった私にとって、大変勉強になった時間だったと思います。

現在の私のオカリナの音楽の活動は、オカリナと弦楽オーケストラのための組曲の第1番から順番に全面改訂中心に行っています。

公開していこうとしているオカリナとオーケストラによる音楽は、カラオケ伴奏なども同時に作成しています。
音楽の楽譜(スコア、パート譜面)、参考演奏、またご自分で演奏してみたい方のためのカラオケ伴奏など、提供を行なっていますので、これから公開する音楽をお聞きになり、それら音源や楽譜が必要な方は、遠慮なくご相談ください。